今年の世相を反映した言葉に贈られる「現代用語の基礎知識選 2019ユーキャン新語・流行語大賞」が2日、発表された。大賞やトップテンの行方も気になるが、もう今年を振り返る時期になったのかと、月日の早さに驚くばかりだ。観光業界にいろんなことがあった…、いやまだこれから何かあるかも、と思えてならない。
年間大賞には、ラグビーワールドカップ(W杯)で、史上初の決勝トーナメント入りを果たした、日本代表のコンセプト「ONE TEAM(ワンチーム)」が選ばれた。選考委員からは「明と暗がはっきりしていた年で、暗が明に変わった。ラグビーさまさまだ」とたたえた。
ワンチームという言葉はとても便利な言葉で、組織重視、一丸となって事に当たるのが好きな日本人の心をうまくつかんでいる。
W杯はまた、訪日客の大幅増という予想外の効果をもたらした。日本を除く出場17カ国(イングランド、スコットランド、ウェールズは英国として集計)の10月の訪日客は前年同月比24.3%増の41万6900人に上った。英国に至っては85.6%増の6万8400人となり、月間の過去最高を記録した。
これまで人数が少なかった国からも大勢の人が日本を訪れており、スポーツイベントのインパクトの大きさを改めて示した。
20年の東京オリンピック・パラリンピックではW杯を上回る外国人が来そうだ。W杯の外国人の動きをフォローし、生きたデータとして活用できないか、検討すべきだろう。
大賞以外では、「計画運休」「軽減税率」「スマイリングシンデレラ/しぶこ」「タピる」「#KuToo」「〇〇ペイ」「免許返納」「闇営業」「令和」がベストテンに入った。候補語(30語)を含め、これら全てを解説できる人は日々の情報に相当敏感な人といえるだろう。
新しい船出、令和元年に希望を託した人も多かっただろうが、大規模災害や事故が相次いだ年でもあった。台風15号、19号などの上陸で、観光業界にも大きな被害が出た。
観光関係ではこれといった新語・流行語が見当たらないが、キーワードとなる言葉がいくつか思い付く。
外国人就労の在留資格「特定技能」、オーバーツーリズム、観光型MaaS(マース)、GW10連休、国際観光旅客税の徴収開始…。前年からの人手不足、ふっこう割などはどうか。
20年はどんな新語・流行語が出てくるだろうか。注目されるのは東京五輪・パラリンピックで、これにちなんだ言葉が新語・流行語として生まれそうだ。
ラグビーW杯では多くの外国人が日本を訪れ、各地で交流を深めた